最終更新日 2024年4月28日
FXは参入者の9割が負けると言われている。
簡単に言えば、100人いれば90人は負けるということで、勝ってる10人でも生活費を賄えるぐらい稼げている人は2~3人程度である。
FXは何も知らない初心者が「簡単に稼げるんでしょ?」と軽い気持ちで参入してくる世界で、真面目にFXでお金を稼ごうと思っている人はほとんどいない。
それがFXをやる人の9割が負ける本当の理由といっても過言ではないが、それ以外にもFXで負ける理由はある。
今回のコラムでは、FXで負ける理由について解説していき、後半ではFXで負けない方法を解説していく。
FXで負ける理由
FXは始めるのは簡でが、勝つのは難しい。
だが、「難しい」だけで「不可能」なわけではない。
しっかり正しいやり方で努力すれば、勝てるようになる確率は高くできる。
では、FXで負ける理由というのは何なのか。
具体的には、以下の3つだ。
- SNSの情報を盲信する
- FXに関連する本を読む
- 検証が圧倒的に足りていない
詳しく解説していく。
SNSの情報を盲信する
最近は何か情報を調べようと思ったときに、Google検索ではなくX(旧Twitter)などのSNSを使って調べる人もいるだろう。
特にFXや投資はSNSにたくさん稼いでいるように見える人がいて、そうした人たちの発信する情報を盲信する人もかなりいる。
しかし、それがFXで負ける理由のひとつである。
なぜなら、SNSにいる「稼いでいるように見える人」「勝ってるように見える人」の多くは、実際には勝っていない人がほとんどだからだ。
今ではSNSで発信する情報は簡単に偽装でき、画像を加工したりすればいくらでも勝ってるかのように見せることができる。
FXを始めたばかりの人は深い知識を持っていない人が多いため、そうした情報を見ると簡単に騙されてしまうだろう。
有名なインフルエンサーやフォロワーがたくさんいる人の相場分析を信じ、自分の頭で考えずに他人の言うことを盲信する。
これがFXで負ける一番の理由である。
FX初心者で何もわからない状態だと、誰か凄い人についていけば勝てるように思えるが、FXで勝つには自分で考えてチャートと向き合う必要がある。
SNSにはFX初心者を狙って高額な商材を売りつける人もいるため、SNSは情報収集ではなく遊びとして利用するようにしよう。
以下のコラムも参考にしてもらいたい。
FXに関連する本を読む
これを聞いて、「え、何かを深く学ぶには本を読むのが一番いいんじゃないの?」と思った人もいるだろう。
だが、FXに関連する本のほとんどはまったくと言っていいほど役に立たない。
これは筆者が実際に、何十冊もFXに関連する本を読んで感じたことである。
FXに関連する本のほとんどは、「メンタルに関する内容」と「インジケーターについての解説」の2種類に分けられる。
- 平常心でトレードする方法など、メンタルについての内容。
- インジケーターの見方や、具体的な使い方についての内容。
しかし、メンタルに関しては自分で実際にトレードしてみなければ「どんな感情になるか」がわからないため、本に書かれていることは役に立たない。
ストーブは熱いから触ったらダメと子どもに言っても無駄なように、人は他人の経験に学ぶことはできず、自分で失敗して痛みを経験しなければ学ばない生き物である。
そしてインジケーターに関する本も、実際に使ったり検証してみると全然勝てないのがわかる。
残念だが、FXの本を読み、その内容を鵜呑みにして実践するからこそ、FXで負けてしまうのである。
本を読んで学んだ気になるのは、FXではとても危険で命取りになる。
FX初心者は本を読んで勉強しようとする人が多いが、本当にFXで勝ちたいなら本を読むのではなく自分の手で検証しよう。
FXでも投資でも、本を読むだけで勝てるようになることはない。
検証が圧倒的に足りていない
FXで負ける理由として一番多いのは、検証が圧倒的に足りていないことだ。
FXでトレードして勝ためには、その手法を使って長期的に稼げるのかどうかを検証する必要がある。
検証していない手法でトレードするのは、コインを投げて表か裏かを当てるようなもので、ただのギャンブルである。
自分が使っている手法に優位性がなければFXで勝てるはずがなく、ギャンブルはいつかお金をすべて失う。
さきほども言ったように、FXを始める人の多くは簡単にお金が稼げると思って始める人が大半で、真面目にFXで稼ごうとは思っていない。
つまり、手軽に片手間でお金が欲しいからFXをやっている人がほとんどである。
言うまでもなく、それがFXで負ける理由となる。
しっかりと自分の手法を検証し、長期的に勝てる優位性がある手法を使わなければ、FXで勝つことはできない。
「どうして負けるのか」と思っている人ほど、検証をほとんどせずに、何となくみんなが使っているインジケーターを使い、何となく動きそうという理由でエントリーしている。
FXはギャンブルでやるものではなく、優位性のある手法でトレードしてお金を稼ぐもの。
この視点が欠けている限り、FXで勝てるようにはならないだろう。
FXで負けない方法
ここまでは、FXで負ける理由について解説してきた。
FXで勝てない人は、上記の内容に当てはまる人も多いだろう。
だが、そんな人でも正しい方法でFXをやれば、負けなくなることは可能である。
以下では、FXで負けない方法を解説していく。
- ギャンブルからトレードにする
- 安定的に勝つ戦略を持つ
- 楽してお金を儲けようとしない
詳しく見ていこう。
ギャンブルからトレードにする
FXで負けないためには、FXをギャンブルからトレードにしなければならない。
FXがギャンブルになってしまう要因のひとつに、相場はランダムウォークだという事実がある。
ランダムウォークとは、酔っ払いの足取りのように次に値動きがどうなるかわからない状態(ランダム)のことを指し、将来の値動きは過去の動きとはまったく関係がないという考えである。
ランダムウォークについて興味がある人は、以下の本を読んでもらいたい。
これは株にもFXにも仮想通貨にも言えることだが、基本的に相場というのはランダムウォークで、将来価格がどう動くかは誰にも予想できない。
株式投資の場合は、企業分析や財務諸表を読み込んだりすることで、将来会社がどうなるかの予想をある程度立てることはできる。
だが、FXの場合は株とは違い、企業分析も財務諸表を読み込むことはできない。
FXでできることといえば、経済ニュースに目を通し、マクロ分析的な視点から為替相場がどうなるかを予想することだけである。
- 各国の経済ニュースをチェックする
- 金利がどうなるかを予測する
- 金融政策の方向性を予測する
だが、これらはほとんどギャンブルと変わらない。
株にしろ為替にしろ仮想通貨にしろ、どの市場の相場も酔っぱらいの千鳥足のようにランダムウォークで動いている。
そこに人間特有の「損失回避性」という心理が働くことにより、サルが適当にトレードするよりも成績が悪くなってしまう。
損失回避性については、以下のコラムで詳しく解説しているので、興味がある人はぜひ読んでもらいたい。
FXで勝つためには「ギャンブル」を「トレード」にしなければならない。
相場はランダムウォークだとしても、テクニカル手法でチャート分析することで、ほんの少しだけチャートの右側を優位的に予測することができる。
FXで負けないためには、チャートの右側を50%よりも高い優位性がある手法でトレードしなければならない。
安定的に勝つ戦略を持つ
FXで負けない方法の2つ目は、安定的に勝つ戦略を持つこと。
FXは一攫千金を狙うためにやる人が少なくない。
そして実際、たくさんの初心者がいればその中から何人かは大勝して数百万円を稼ぐ人もいる。
だが、それはたまたま運が良かっただけであり、FXはそうした運だけで勝ち続けるのは難しいのが事実である。
株の場合は安値や大底で運よく仕込むことができれば、そのままホールドすることで数年間利益が積み重なり、損益的には勝ち続けることができる。
しかし、FXの為替相場は株のようにずっと一方向に動くということはなく、FXでお金を稼ぐには買ったら売る、売ったら買うというトレードをしなければならない。
- 株=安値や大底で買えば、持っているだけで長期的に勝つことができる。
- FX=為替相場は一方向に動き続けることはないので、トレードしなければ稼げない。
これが、FXが株よりも勝ち続けるのが難しい理由のひとつである。
だからこそ、FXで勝つにはテクニカル手法を使い、1回1回のトレードの優位性を高め、最終的な損益がプラスになるような戦略を持つ必要がある。
つまり、安定的に勝てるトレードスタイルを持つということだ。
トレードスタイルについては以下の記事で解説しているので、興味がある人はぜひ読んでもらいたい。
自分なりのトレードスタイルを持ち、FXで安定的に勝ち続けるには早ければ数か月、長くて数年の努力が必要になる。
FXで負けたくないのであれば、焦らずじっくりと安定的に勝つ戦略を持ってみよう。
楽してお金を儲けようとしない
逆説的だが、FXで負けたくないのであれば、楽してお金を儲けようとしないのが大事である。
最近はFXを始める人がかなり増えていて、証券会社によると、ここ何年かで口座開設の数が爆発的に増加している。
そして、口座開設をしてFXを始める人は、楽してお金を儲けたいと思っている人がほとんどである。
だが、FXは楽して儲けたいなら絶対に手を出してはならない世界だ。
なぜなら、FXはレバレッジをかけてトレードをおこなうため、運良く勝てば大きな利益を得られますが、負ければお金を大きく失うことになる。
つまり、FXはハイリスク・ハイリターンの世界。
リスクなしでお金を稼ぎたいのであれば、副業をしたり自分で事業を始めたりしたほうが儲けられる確率は格段に高い。
もちろん、FXでもロット数を調整することである程度リスクをコントロールできるが、楽して儲けたいと思っている人は高確率でハイレバ(高いレバレッジ)に手を出す。
FXでは楽にお金を儲けたいという気持ちが、トレードやレバレッジに影響し、本当なら勝てるトレードでも負けてしまうことになる。
FXで負けたくないのであれば「楽して稼ぐ」という考えを捨てて、少しずつトレードスキルを上達させていこう。
それが遠回りに見えて、FXで勝つための一番の近道である。
まとめ
今回のコラムでは、FXで負ける理由、FXで負けない方法を解説してきた。
FXで負ける理由は、大まかに以下の3つだ。
- SNSの情報を盲信する
- FXに関連する本を読む
- 検証が圧倒的に足りていない
特に3番目の検証が圧倒的に足りていないことは、FXでは致命的な弱点になる。
FXで本気で勝ちたいと思うのなら、まず1にも2にも検証が必要である。
そして、FXで負けないためには、以下の3つを意識しておこう。
- ギャンブルからトレードにする
- 安定的に勝つ戦略を持つ
- 楽してお金を儲けようとしない
相場がランダムウォークに動くのは事実だが、ランダムウォークであってもFXは勝つことはできる。
チャートは相場参加者の心理が作りだすものであって、人間の心理にはある程度のパターンがあるからだ。
心理のパターンをチャート分析で見つけ、相場が大きく動きそうなところでエントリーすればFXは勝てる。
相場のランダムウォークに加え、楽してお金を儲けたいという気持ちで何度もトレードを繰り返すことがFXで負ける理由である。
本気で勝ちたいのであれば、今回のコラムの内容をしっかりと頭に入れ、一歩一歩確実にトレードスキルを高めていこう。
FX初心者の人は、以下のコラムも参考にしてもらいたい。
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