最終更新日 2024年4月28日
FXをやる以上、トレードスタイルを考えることからは避けられない。
というのも、FXで勝っている人は、例外なく自分のトレードスタイルを持っているからである。
チャートや相場は毎日同じなわけではなく、「買いが強いゾーン」「売りが強いゾーン」があるのは初心者でも何となくわかるだろう。
言うまでもなく、買いが強いゾーンでショートすれば負けやすく、逆に売りが強いゾーンでロングすれば負けやすい。
そのため、常に「今はどういう相場なのか?」を考える必要があり、相場の流れを読むことで勝率も安定していく。
そして、FXにおいて相場の流れを読むために必要なのが「トレードスタイル」である。
今回のコラムでは、FXでのトレードスタイルと決め方について詳しく解説していく。
FXでのトレードスタイル
FXでのトレードスタイルというのは、たとえば以下のようなもののこと。
- 順張りか逆張りか?
- エントリーする時間帯はいつか?
- 何を軸にエントリーするか?
- スキャルピングかデイトレ―ドか?
- どの通貨でトレードするか?
これらはFXをやる上でとても重要である。
逆に、上記のトレードスタイルを決めずに適当にFXをしている人は、安定的に勝つことは難しいだろう。
以下の記事で解説しているように、FXが初心者がやるべきことの中には、「テクニカルの手法を持つこと=トレードスタイルを持つこと」が必要である。
FXでのトレードスタイルは人によって変わり、勝っている人でもトレンドに順張りする人もいれば、逆張りしかしないという人もいる。
トレードスタイルに絶対的な正解はありませんが、自分の性格(熱くなりやすいのか、冷静なのか)や生活(いつトレードするのか)といった観点から、自分に合ったトレードスタイルを持つのが大事である。
以下では、FXでのトレードスタイルをいくつか紹介していくので、参考にしてもらいたい。
順張りか逆張りか
FXでトレードするときは、主に「順張り」と「逆張り」の2つに分けられる。
順張りというのは、トレンドの方向性に沿ってエントリーする手法のことである。
一方、逆張りはトレンドとは逆方向にエントリーする方法である。
順張りと逆張りのどちらがいいかについては、手法や本人の性格によるので一概には言えない。
順張りで優位性のある手法を持っていれば順張り、逆張りのほうが勝率が高いのなら逆張りというように、人によってどちらがいいかは異なる。
ただ、順張りのほうが簡単でわかりやすいので、初心者の人にはトレンドに乗る順張りのほうがおすすめである。
逆張りには相場の流れを読むスキルが必要で、「そろそろ反対に動きそう」といった運任せのトレードでは安定して勝てない。
逆張りがやりたいのであれば、それなりに相場の経験を積み、買いと売りの勢いを分析できるようになってからにしよう。
どの時間帯にエントリーするか
次は時間帯についてだが、これは本業の時間や生活習慣などによってトレードする時間は大きく変わる。
ある程度チャート見てる人ならわかると思うが、FXの値動きは時間帯によって全然ちがい、同じ手法でも勝率が時間帯によって変わることも少なくない。
各市場の取引時間は、大体以下のような感じである。
この中で一番値動きが激しいのが米国のニューヨーク時間であり、次が欧州のロンドン時間だ。
特にニューヨーク時間は重要な経済指標も多く、テクニカル分析が全然通用しない値動きになったりするので注意が必要である。
人によっては指標に運よく乗って大勝ちする人もいるが、長期的に安定して勝ち続けたいのであれば、指標トレードに頼るのはおすすめしない。
それに比べ、東京時間は値動きも穏やかで、テクニカル分析も比較的効きやすい時間帯である。
時間帯のトレードスタイルを決めるときは、決めた時間帯以外では手を出さないのが基本。
よく言われる「ポジポジ病」になっている人は、FXのトレードスタイルである時間帯を決めていないケースがほとんどである。
逆に、トレードスタイルで時間帯を決めてしまえば、その時間帯しかエントリーしないので、必然的にトレード回数も少なくなり、ポジポジ病の改善に役立つ。
ついエントリーしてポジションを持ってしまう人は、まずはトレードする時間帯を決めてしまうのがおすすめである。
テクニカル分析の軸は何か
FXのトレードスタイルは人それぞれだが、大枠となる「テクニカル分析」という軸はみんな同じだ。
テクニカル分析とは、ロウソク足やインジケーターなどを使用して相場を分析する方法のこと。
そして、FXのトレードスタイルにおけるテクニカル分析というのは、トレードの「軸」となるものを持つということと同じである。
トレードの軸というのは「具体的な手法」のことであり、たとえば以下のようなもの。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD
- ダウ理論
- サイクル理論
- チャネルライン
- 水平線トレード…etc
エントリーするときは自分のトレード軸の観点から相場を分析し、優位性があるポイントでエントリーするのがテクニカルトレードの基本である。
実際、勝っているトレーダーと勝てないトレーダーの違いは、この「トレードの軸」がしっかりしているかどうかにある。
トレードの軸がブレブレの人は、負けるとすぐ別の手法を探したり、連敗すると「これは使えない手法だ」とすぐに捨ててしまう。
だが、どんな手法でも必ず負けるときはあり、トレードの軸がしっかりしていても連敗することも少なくない。
大事なのは「一貫性のあるトレードができているかどうか」で、トレードの軸があれば常に一貫性のトレードができる。
一貫性のトレードを繰り返していけば少しずつ手法も洗練されていき、負けることも少なくなっていくものである。
スキャルピングかデイトレードか
スキャルピングかいいのか、それともデイトレードがいいのかは常に議論されている話題だ。
まず前提として、時間軸のトレードスタイルは大きく分けて以下の4つの期間に分けられる。
- 中長期=1ヶ月~数年
- スイング=数日~数週間
- デイトレード=1日で手じまい
- スキャルピング=数秒でのトレード
仮にどれでも勝てるとした場合、一番稼げるのはスキャルピングである。
なぜかと言うと、スキャルピングであればどっちかにトレンドができていても、稼ぐチャンスが多いからだ。
スキャルピングは数分で決済するのが基本なので、トレンドに沿って何度もエントリーできる。
もちろん、エントリー回数が多いということは、その分負けたときの損失も大きいが、スキャルピングは手法次第で高勝率でトレードすることも可能である。
海外口座の場合はレバレッジが400倍の業者もあるので、軍資金10万円から始めてスキャルピングで数千万稼ぐといった人も実際にいる。
もっと言うと、スキャルピングはすぐに決済するため、突発的な事象でレートが大きく動いたときに、大きく損失を被る可能性が少ないのもメリットである。
基本的にポジションを持つ時間が長くなればなるほど、政治的なリスクや経済的なリスク、震災や干ばつなどの自然リスクに対応しにくく、負けたときのマイナスも大きくなる。
だが、スキャルピングは損切り貧乏になる可能性もあるので注意が必要である。
デイトレードなら少しの値動きは気にしないが、スキャルピングの場合はすぐ損切りになるので、うまく相場が動かなかったときは何度も損切りにあって損失が大きくなることもある。
スキャルピングがいいのか、それともデイトレードがいいのかは、手法としているトレードの軸によって決めるのがおすすめである。
手法にはスキャルピングのほうが優位性があるものもあれば、デイトレードに優位性があるものもある。
自分の使っている手法が、どちらのほうが優位性高くトレードできるのかを考えた上で決めるようにしよう。
どの通貨でトレードするか
FXのトレードスタイルにおいて、どの通貨でトレードするかというのは重要なポイントである。
FXで一番取引量が多いのはユーロドルであり、その次にドル円やポンドルなどが続く。
それぞれの通貨によってチャートの動きは大きく異なり、ボラティリティが異なれば手法の勝率にもブレが出てしまう。
たとえば、ドル円やユーロドルは比較的ボラティリティが低いが、ポンドはボラティリティが高い通貨である。
ボラティリティが高い通貨だと、損切り幅が小さい場合はすぐに引っかかってしまうため、損切り貧乏になることが多い。
一方、ドル円やユーロのようにボラティリティが低い通貨だと、テクニカル分析も効きやすく、トレード戦略も立てやすくなっている。
基本的にポンドのようなボラティリティが高い通貨は上級者向け、ドル円やユーロは初心者~中級者向けの通貨である。
トレードスタイルで通貨を決めるときは、その通貨以外は触らないようにしよう。
FXでのトレードスタイルの決め方
最後に、FXでのトレードスタイルの決め方を解説していく。
FXでのトレードスタイルを決めるときの流れは、ザッと以下のような感じだ。
- トレードする通貨を決める
- トレードする時間帯を決める
- 順張りか逆張りかを決める
- スキャルピングかデイトレードかを決める
- テクニカルトレードの軸を決める
詳しく解説していく。
トレードする通貨の決め方
FXでトレードスタイルを決めるときは、まずはどの通貨でトレードするのかを決める。
通貨によってボラティリティが違うと言ったが、初心者の人ほどボラティリティが低い通貨を選択するのがおすすめである。
そして、為替相場は各国の金融政策や金利で大きく動くため、日本に住んでいてFXをするのあれば、クロス円(円が絡んでいる通貨)を選ぶのもポイントだ。
つまり、ドル円やユーロ円がおすすめということである。
ポン円に関してはボラティリティが高いので、中級者以上の人でないとおすすめしない。
トレードする通貨が多いとチャート分析するのも大変なので、多くても3通貨、基本は1~2通貨ぐらいがベストである。
トレードする時間帯の決め方
トレードする時間帯に関しては、本業の仕事や生活スタイルなどを考え、自分が一番トレードしやすい時間帯を選ぶようにしよう。
たとえば、普通に会社員をやっているのであれば、FXができる時間帯はニューヨーク時間しかない。
パートの人なら欧州時間、夜勤とかなら東京時間にトレードする人もいるだろう。
時間帯は自分の生活習慣で決めるのが基本で、しっかり頭がはたらき、ゆっくりチャート分析できる時間帯の市場でトレードするのがおすすめである。
それぞれの市場、東京・欧州・ニューヨークは値動きの特徴なども変わるため、トレードする時間帯を決めたらその時間帯だけを監視し、値動きの癖を見つけてみよう。
毎日同じ時間帯の市場を観察していれば、似たような動きをするときがわかり、少しずつ勝率も上がっていく。
順張りか逆張りかの決め方
順張りか逆張りかについては、それぞれの手法によって変わるので一概には言えないが、安定的に長く勝ち続けやすいのは順張りである。
基本的に相場のトレンドに逆らってトレードするのはリスクが高く、逆張りは上級者しか向いていない。
逆張りで勝っている人の多くも、「そろそろ逆に動くだろう」といった感覚的なトレードをしている人が大半なので、再現性高く勝ち続けることは難しい。
順張りは相場のトレンドに乗ってトレードするため、優位性の高いトレードがしやすい。
独自の手法を使い、再現性高く優位性の高い逆張り手法があるのであれば、逆張りでトレードしてもいいだろう。
だが、初心者の人やトレードスタイルが決まっていないのであれば、まずは順張りでのトレードを極めるのがおすすめである。
スキャルピングとデイトレードかの決め方
スキャルピングとデイトレードに関しても、スキャルピングのほうが値幅を取りやすく、突発的なリスクにも振り回されにくいので、初心者ほどスキャルピングがおすすめだ。
スキャルピングであれば、長くポジションを持つことによる突発的な値動きに振り回されにくく、安定的に利益を積み重ねていける。
だが、スキャルピングは一日に何回もトレードするので精神的にも疲れやすく、頭の回転の早さなども必要である。
そしてさきほども言ったように、スキャルピングは損切り幅が少ないので、損切り貧乏になることもある。
- 精神的に疲れやすい
- 素早くチャート分析する頭の回転が必要
- 損切り貧乏になることもある
- ずっとチャートを見ていなければならない
一方、大きく値幅を取っていきたい、ずっとチャートにへばりついているのが嫌という人には、デイトレードがおすすめである。
デイトレードは基本的に一日に一回しかトレードしないため、長時間チャートを見ている必要がなく、どっしりと構えてトレードができる。
だが、利益と損失の値幅が大きいので、ある程度チャート分析の経験を積み、相場の流れを読む自信がある人でないと難しい。
- 相場の流れを読むスキルが必要
- 利益が大きい分、損失も大きい
- 負けたときのメンタルのダメージも大きい
そのため、初心者の人はまずはスキャルピングからはじめ、慣れてきたらデイトレードに移行するのがおすすめである。
トレードの軸の決め方
そして最後はテクニカルトレードの軸、つまり手法だが、こちらは自分で過去チャートで検証をおこない、優位性が高いと判断した手法を使うようにしよう。
他人の手法を真似するのもいいが、その場合でもきちんと自分で過去チャートでの検証をおこなうことで、より腑に落ちた感覚でトレードすることができる。
なお、初心者におすすめなのは、移動平均線・ダウ理論・水平線の3つを軸にしたトレードである。
移動平均線は世界中に利用者がいるもっともメジャーなインジケーターであり、ダウ理論と水平線もFXトレードの基本中の基本と言われている。
もちろんボリンジャーバンドややRSIなどのほかのインジケーターを使ってもいいが、一番大事なのはちゃんと理解してトレードできるかどうかである。
その手法で相場の流れを読み、トレードするポイントが明確で、優位性のあるトレードができるのであれば、そのトレードの軸は正解だ。
逆に、相場の流れもわからず、トレードするポイントも感覚的で、勝つか負けるかわからないトレードにしかならないのなら、考えなおしたほうがいいだろう。
トレードの軸を決めるときは、しっかりと優位性があるのかどうかを判断することが大事である。
まとめ
今回のコラムでは、FXでのトレードスタイルと決め方について解説してきた。
FXで勝っている人は、必ず自分のトレードスタイルを持っている。
- 順張りか逆張りか?
- エントリーする時間帯はいつか?
- 何を軸にエントリーするか?
- スキャルピングかデイトレ―ドか?
- どの通貨でトレードするか?
どの通貨、どの時間帯、どういった手法でトレードするかを決めていないと、相場の上げ下げに右往左往し、ノリと雰囲気でエントリーして負けるトレードをずっと繰り返すことになるだろう。
FXで安定的に長く勝ち続けたいなら、まずはトレードをする上での自分のトレードスタイルを持つことから始めてみよう。
- トレードする通貨を決める
- トレードする時間帯を決める
- 順張りか逆張りかを決める
- スキャルピングかデイトレードかを決める
- テクニカルトレードの軸を決める
FXはトレードスタイルに従っていれば一貫性のあるトレードができ、トレードスキルもどんどん上がっていく。
焦らず、まずはひとつずつ自分が納得するトレードスタイルを持ってみよう。
また、以下の記事も参考になるので、興味がある人はぜひ読んでもらいたい。
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