最終更新日 2024年4月28日
FXをやっている人にとって切っても切れない関係なのが「ポジポジ病」である。
長年FXをやっている人でもポジポジ病になる人は多く、自分のトレードスタイルを守らずにエントリーしてしまう人も少なくない。
言うまでもなく、ポジポジ病はFXをやる上で致命的な損失につながってしまう。
完璧に治すことは難しいかもしれないが、長期的に勝ち続けたり、お金を失って退場したくないのであればポジポジ病はある程度克服しなければならない。
今回のコラムでは、FXでポジポジ病にならないための対処法を解説していく。
FXの負ける原因はポジポジ病
結論から言うと、FXで負けてる人のほとんどはポジポジ病が原因だと言っても過言ではない。
- 「ここ伸びそうだな」と思ったら、自分のトレードスタイルを守らずエントリーしてしまう。
- 逆行しても勝ち分を失いたくないからと、損切りしないでそのままにしてしまう。
- 結局、利益を全部飛ばしてマイナスになってしまう。
これはFXをやっている人なら誰もが一度は通る道である。
損切りができないのは、人間には損失回避性という心理が働いていることによる。
損失回避性については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は読んでもらいたい。
ポジポジ病はFXで運よく勝ち続けたり、プラスの損益になっているときになりやすい状態である。
「勝っているから多少負けてもかまわない」という気持ちが働き、自分のトレードスタイルを守らずにエントリーしてしまう。
そのため、ポジポジ病にならないように気持ちをコントロールするのがFXの基本である。
FXでやることは我慢
筆者は基本的にレンジ相場ではエントリーしないようにしている。
これはトレードの優位性のひとつであり、筆者のトレードスタイルである。
だが、本当にFXを極めてる人は、レンジ相場でもガンガンエントリーしてガンガン稼いでいる。
ただ筆者はそこまでリスクを取るような性格ではないため、そうしたトレードスタイルを持っていない。
大雑把に言うと、筆者がFXでやっていることは「我慢」なのである。
デイトレードのときは上位足がトレンド状態であり、4時間足と1時間足の移動平均線とダウ理論を分析し、今ならリスクも低く優位性が高いと判断したときにエントリーする。
上記のポイント以外は、基本的にすべてスルーしている。
こうしたトレードスタイルになったのは、自分の中で優位性を確認した場所以外でエントリーしたときの勝率を測ったとき、明らかに勝率を下げてる原因がそこだとわかったため、エントリーポイントを絞るようにした。
優位性の見つけ方については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてもらいたい。
自分で言うのも何だが、筆者のトレードスタイルはポジポジ病とはまったくもって無縁なものである。
ポジポジ病の原因は錯覚
FXは勝ち方がひとつではなく無数にあるため、本人のリスク耐性によって手法は変わる。
たとえば、ものすごくリスク回避的な人は、以下のようなトレードスタイルを持っている人が多い。
- わからないとこは絶対やらないと決めている。
- 優位性が高くなければ、どんなにチャートが動いても絶対にエントリーしない。
- 周りがポジポジ病になっていても、モニターを見ながらひたすらチャンスを待つメンタルの強さがある。
ほかにも、チャートを見るのは1時間おきにしたりなど、ポジポジ病にならないように工夫している人もいる。
FXはチャートをチラッと見てチャンスだと思い、調子に乗ってエントリーすると大体負けるのがオチである。
ポジポジ病はエントリーするタイミングも遅く、リスクリワードもあまり良くなく、突発的なエントリーでチャートもしっかり分析できていない。
もっと言うと、人間は何もないところにパターンを見つけるのがうまい生き物であり、ポジポジ病はそうした錯覚に陥っている状態である。
だからこそ、ポジポジ病でエントリーすると負けることのほうが多く、負けると次第に感情的になっていき、負けた分を取り戻そうとしてさらにポジポジ病が加速する。
ポジポジ病にならないためには、こうした悪循環のループから抜けなければならない。
トレードの軸がないとポジポジ病になりやすい
ここで、FXで負けている人の原因をザっと並べてみよう。
- ポジポジ病になっている
- 強い根拠がないところでエントリーしている
- 損切りをしっかりしていない
- 損切りと利確のバランスが悪い(リスクリワードが悪い)
- トレードの結果を分析していない
- 自分に合ってないトレードスタイルでやっている
ポジポジ病にも通じることだが、FXはトレードスタイルを持っていなければ一貫性のあるトレードができず、エントリーポイントもバラバラになる。
トレードの軸を持つというのは、自分のトレードスタイルを持つということである。
FXも麻雀もパチンコも競馬も、負けてる人のやり方は大体決まっていて、勝算のある方法ではなくただギャンブルをやっている人がほとんどだ。
だが、FXも麻雀もパチンコも競馬も、勝ってる人はギャンブルではなく「仕事」と呼べるだけの精度と確率を維持しながらやっている。
運に頼るのではなく、しっかり自分なりの理論で武装して勝っているのである。
物事を理論立てて考えることができ、自分のトレードスタイルを守っていれば、ポジポジ病になることもなくなる。
ポジポジ病でハイレバは危険
本を読んだりSNSの爆益報告とか見ると、自分も1年で1億稼ぐといったような考えをして、ハイレバでやりたくなったりもするだろう。
だが、ポジポジ病を克服できない人にとっては、ハイレバはリスクが高すぎる。
言うまでもなく、FXは資金管理がすべてでもあるからだ。
ポジポジ病×ハイレバ＝地獄への入り口
ハイレバでやるということは、利益を上げ続けても一回大きく負けると今までの勝ち分を一瞬で失う可能性があるということである。
海外業者でレバレッジ400倍でやってる人の中には、10万円を1か月半で1000万以上にした人がいたりし、SNSのフォロワーが急激に増えたりしている。
しかし、それは運が良かった人だけであり、その裏には数えきれないくらいのたくさんの敗者がいて、その人たちは10万円を一瞬で失くしているのが現実である。
こうした、生き残った人だけが目につく現象を認知心理学では「生存バイアス」と言う。
生き残った人や成功した人が目立ち、生存や成功の可能性が高く見えてしまう認知的な罠のこと。
ポジポジ病とハイレバの組み合わせで勝っている人は、まさに生存バイアスの対象者である。
少なくとも、ハイレバに手を出すのであればポジポジ病を克服してからにしておこう。
ポジポジ病にならないための対処法
FXにおいてポジポジ病は致命的な欠点である。
どれだけ手法が洗練されていても、ポジポジ病になってしまうとトレードで負けることのほうが多くなる。
FXで長期的に安定して勝ちたいのであれば、是が非でもポジポジ病を克服しなければならない。
そこでここからは、筆者が実践している方法を含め、ポジポジ病にならないための対処法をいくつか紹介していく。
- トレードする時間帯を決める
- チャートを見ない
- 小ロットでエントリーする
詳しく解説していく。
トレードする時間帯を決める
ポジポジ病の対処法のひとつ目は、トレードする時間帯を決めることである。
ポジポジ病は「いつエントリーするか」が明確に決まっていないため、常にチャートを監視し、チャンスが来たと思ったらエントリーしている。
だが、さきほど言ったように、人間は何もないところにパターンを見つけるのがうまいため、ずっとチャートを見ていると本当はエントリーすべきポイントでないにもかからず、そこがチャンスだと勘違いしてしまう。
ずっとチャートを見ていると、あたかもチャンスが来たかのように錯覚する。
後で振り返ったときに「なんでここでエントリーしたんだろう？」と思う場合は、間違いなくポジポジ病の罠にハマっている。
こうした状態から抜け出すには、トレードする時間帯を決めてしまうのがおすすめである。
トレードする時間帯を決めてしまえば、その時間帯だけチャートを見ればいいので、エントリーしたいという誘惑もなくなる。
- チャートを見る時間が減る
- エントリーしたい誘惑がなくなる
- 無駄なエントリーをしないので損益も安定する
トレードする時間帯を決めるには、自分のトレードスタイルを決める必要がある。
仮に、トレードする時間帯を22時～23時だけと決めてしまえば、余計なトレードが減り、ポジポジ病もかなり改善されるだろう。
チャートを見ない
ポジポジ病の対処法のふたつ目は、そもそもチャートを見ないことである。
これはひとつ目の「トレードする時間帯を決める」にも通じることだが、ポジポジ病はチャートを見ているからこそ陥る。
そもそもチャートを見ていなければ、チャンスが来ているかどうかもわからないため、エントリーしたいという気持ちにもならない。
チャートを見なければポジポジ病にはならない。
「今チャートがどうなっているのか気になるから」という理由でチャートを見る人は、はじめはエントリーするつもりがなくても、だんだんと気持ちが抑えきれなくなってくる。
チャートを見ていても気持ちを抑えられるなら、こんなにポジポジ病に悩まさている人もいないはずである。
ポジポジ病になりたくないなら、トレードする時間帯を決めた上で、その時間帯以外は一切チャートを見ないようにしよう。
「ポジポジ病はチャートを見ているから起こること」と、しっかり心に刻んでおくのが大事である。
小ロットでエントリーする
ポジポジ病の対処法の最後は、小ロットでエントリーすること。
トレードする時間帯を決め、そのほかの時間帯は一切チャートを見なくても、その時間帯の間にポジポジ病になってしまっては意味がない。
そうしたときに有効なのが、いつもよりロットを小さくしてエントリーすることである。
ポジポジ病になりそうなときは、負けても落ち込まないロットでエントリーする。
たとえば、いつもは5万通貨でやっているのであれば、1万通貨になるロットでエントリーするといった感じである。
そうすれば、ポジポジ病でエントリーする場所が悪くて負けたとしても、損失はいつもの1/5なので大した痛手にはならない。
ただし、エントリーして負けることで、その負けを取り返そうと逆に熱くなる人もいるので、そうした人は注意が必要である。
なので、できるだけ「トレードする時間帯を決める」「チャートを見ない」などの方法でポジポジ病を改善してみよう。
まとめ
今回のコラムでは、FXでポジポジ病にならないための対処法を解説してきた。
FXでポジポジ病になっている人は、トレードの軸がハッキリしていなく、チャートを見ているうちにそこがチャンスだと錯覚することで起こる。
だが、FXにおいてポジポジ病は負ける原因のトップ3に入るものなので、FXで長期的に勝ちたい人はポジポジ病を改善、克服しておきたいところである。
ポジポジ病にならないための対処法としては、以下の3つがおすすめだ。
- トレードする時間帯を決める
- チャートを見ない
- 小ロットでエントリーする
トレードする時間帯を決め、その時間帯以外はチャートは一切見ない。
もしポジポジ病になりそうなときは、いつもよりロットを落としてエントリーする。
そうすればポジポジ病になりにくく、なったとしても損失は限りなく小さくできる。
FXでお金を稼げるか、お金を失うかは自分次第である。
以下のコラムもFXで勝つために役立つので、興味がある人はぜひ読んでみてもらいたい。
コメントを残す