ステージが変わると人間関係も変わる。人間関係は変えるべきか?

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最終更新日 2025年3月8日

よく「ステージが変わると人間関係も変わる」という言い分を目にします。

「何年も人間関係が変わっていない奴は成長していない奴だ」とか「同じ人間関係のままでは成長できない」だとか、まるでスマホを乗り換えるかのように人間関係は常に更新し、新しくしていかなければならないと言われているアレです。

実際、人生を変えるには「住む場所」「付き合う人」「時間の使い方」の3つを変えなければならないとも言われるように、人間関係というのは人生に大きな影響を与えます。

竜崎
でも、個人的にはステージが変わると人間関係も変わるという考え方には否定的です。

なぜなら、ステージが変わると人間関係も変わるというのは、損得勘定でしか人間関係を見ていなく、人付き合いを「自分にとって有用かどうか」でしか見ていないからです。

 

ステージが変わると人間関係も変わる?

ステージが変わると人間関係も変わるという言い分には、「人生間にはステージがある」という前提が含まれています。

年収、肩書き、住んでいる場所など、そのステージというものが何を基準にしているのかはわかりませんが、ステージが変わると人間関係も変わると言う人は、成長することによって人間としてのステージが上がっていき、そのステージによって人間関係も変わっていくと信じているようです。

そもそも「人間にはステージがある」という考え方自体からおかしいのですが、ステージが変わると人間関係も変わると言う人は、仮に自分が年収1000万円に上がったとして、友達が会社をクビになって離婚して年収200万円でバイトする生活になった場合、その友達とは「自分とはステージが違うから」という理由で付き合うのをやめるのでしょうか?

竜崎
よく、事業で一発当てたり、昇進して肩書きがついて年収が上がったりすると、急に毒舌になったり傲慢になったりする人がいますが、おそらくそうした人は自分は人生のステージが上がったのだと勘違いし、周りの人がバカに見えて見下しています。

でも、実際には肩書きに役職がつこうが、年収が上がろうが、住む場所が港区になろうが、人間のステージなんてものは変わりません。

変わっているのは単に仕事のスキルや上司に媚びる能力だったり、自分の性格であり人間性が傲慢になっているだけです。

ステージが変わると人間関係も変わると言っている人の頭の中は、人間の価値は能力によって決まるという「能力主義」的な価値観で埋め尽くされています。

だからこそ、人間を能力によってステージに分けたり、「自分はこの人から何を得られるだろうか?」という損得勘定でしか人間関係を考えることができないのです。

 

人間性で変わる人間関係

ここまで言ったように、私は「ステージが変わると人間関係も変わる」という考え方には否定的ですが、「付き合っちゃいけない人間関係」があるのは認めています。

たとえば、犯罪や詐欺などに関わるおそれのある人間関係だったり、自分にとって著しく悪影響がある人間関係などです。

こうした人間関係はたとえ昔からの友達であったとしても、付き合うべきではありません。

竜崎
でもそれは損得勘定から判断しているのではなく、人間性の観点から判断しているのです。

友達が会社をクビになって離婚して年収200万円でバイトする生活になったからといって、それは友達が犯罪をしてそうなったわけでもなければ、自分にとって悪影響があるわけでもありません。

急に友達の性格が悪くなってそういった結果になったのだとすれば話は別ですが、友達の境遇が変わったからといって、友達の人間性まで変わったわけでないです。

だから、10000万歩ぐらい譲り、仮に人生にはステージがあると仮定し、友達がステージから転げ落ちたとしても、今までどおり変わらず付き合い続けるのが友情というものだと思っています。

つまり、人生にはステージなんてものはないが、人間性によって付き合っちゃダメな人がいるだけということ。

これは「ステージが変わると人間関係も変わる」という考え方とはまったく別の話です。

ステージによって人間関係を変えている人は、他人は自分にとって有用かどうかという損得勘定でしか考えていませんが、人間性で付き合う人を選ぶのは損得勘定ではなく、価値観の問題です。

そして、価値観にステージなんてものは存在しません。

 

人生にステージなんて存在しない

常に成功を目指す人が溢れている現代では、多くの人はお金を多く稼ぐことが人間の価値であり、年収や肩書きといったもので人間をステージ分けしています。

年収が低く、お金がない人のことを見下し、ただ年収が上というだけで自分のほうがさまざまな面で能力があり、人間としての価値も上だと考える人が多い。

お金を稼げるかどうかという観点だけで、ステージやら価値やら能力がすべて決められてしまう。

竜崎
まるでお金を稼げないことが、人間として価値が低いとレッテルを貼っているようです。

でもそうした観点で人間の価値を判断していると、お金が稼げなくなったときに、自分の価値がわからなくなります。

「ステージが変わると人間関係も変わる」という考えにひとつだけ納得できる側面があるとすれば、類は友を呼ぶので同じような人と知り合いになれるという点です。

たとえば、起業家は同じく起業家と仲良くしたり、投資家は投資家と、副業を頑張っている人は副業仲間と仲良くすることで、人間関係が広がっていく。

でもそれは、ステージが変わっているわけではなく、ただ人間関係が変わっただけの話。

つまり、「ステージが変わった⇒人間関係が変わる」ではなく、「人間関係が変わった⇒ステージが変わった(と勘違いする)」が正しい。

ステージなんて概念は成功や自己啓発にハマった意識高い系が作ったもので、彼らはただ自分たちが作った概念に酔いしれて、自分の価値を勘違いしてウットリしているだけです。

何度も言いますが、人生や人間にステージなんてものはそもそも存在しません。お馬鹿さんの頭の中以外には。

 

人間関係は「他人に何を与えられるか」

どのような人付き合いをするのか、どういう人間関係を築くのかは人それぞれです。

人を架空のステージで分けて、自分が成長してステージが上がったと感じたら、スマホを乗り換えるように人間関係も新しくしていくのも本人の自由です。

でも、そうした人間関係には深みはまったくなく、お互い損得勘定の付き合いでしかないので、すぐに捨てるか捨てられるような関係しか築くことはできません。

「ステージが変わると人間関係も変わる」と思っていると、年収などで自分のステージが上がったと勘違いする度に、今まで付き合っていた人を見下し、「話が合わなくなった」と上から目線で他人を評価し、自分のほうが優位に立っているかのような態度で人と接するようになる。

そうした勘違いをした人の末路は、だいたい「孤独」です。

人によって態度を変えることは悪いことではありませんが、他人にマウントを取るような態度の変え方は人間性に問題があると言えます。

最近は「孤独は悪いものではない」と言われていますが、それは1人の時間の充実のことを言っているのであり、性格の悪さから社会的に孤立するのと同じではありません。

他人を競争相手やステージという概念で判断していると、心からの友人ができることはないし、信頼できる人間関係も築けず、自分の居場所がなくなっていきます。

日々成長していくのは大切ですが、成長したからといってステージが変わるわけではありません。

人間関係は「他人から何を与えられるか」で判断するものではなく、「自分はこの人に何を与えられるか」を考えていくものです。

竜崎
そこにあるのは損得勘定ではなく、「他人に与えたい」と思う愛情であり友情。

人間関係はそれを持っていれば、それでいいのです。

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