自分の価値がわからないのは、他人の評価で自分を判断しているからである。

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最終更新日 2025年3月6日

現代では自分の価値がわからないと思っている人が少なくありません。

「自分は何の役にも立っていない」

「自分なんていてもいなくても変わらないのではないか」

「学歴もないし頭も良くないし仕事もできない、自分の存在価値がわからない」

と嘆く人もいます。

竜崎
たまにDMやメールで「自分の価値がわかりません。どうすればいいでしょうか」といった質問が来たりしますが、そうした悩みを抱えている人たちには共通点があります。

それは、自分の価値を他人の評価で判断している、ということです。

現代では「何事も多く持っている人」が評価されます。

たとえば友達にしても、小学生の頃から「友達100人でっきるかなー♪」などという歌を歌わされ、あたかも友達の数は多いほうがいいと子どもたちに教え込む風潮が日本にはある。

これは友達に限った話ではなく、人脈といった人間関係、お金や所有物、異性との経験人数といった事柄においても「多いほうが人間的な価値が高い」と評価されやすくなっています。

つまり、一般的な目線での人間的な価値は「常に多く」となっているのです。

 

自分の価値がわからない人たち

ですが、友達や人脈の数、年収や他人の評価といったもので自分の価値を判断していると、多くの人は「自分には価値がない」という結論になってしまいます。

なぜなら、友達が多くて年収も高くて、多くの人から愛されているなんて人はそう多くはいないからです。

もし自分の価値が友達の数や年収といった数字で判断されるのであれば、友達が少ない人や年収が低い人はみんな価値がないということになってしまう。

ほかにも、学歴がなくて頭が悪い、仕事ができない、誰の役にも立っていない、といった理由で自分の価値がなくなるのであれば、世の中の半分以上は価値がないということになってしまいます。

仕事ができなかろうが、頭が悪かろうが、自分の価値がないわけではない。

友達がいないから自分に価値がないわけではないし、お金がないから自分に価値がないわけでもない。

綺麗事でもなんでもなく、人間の価値はみんな平等であり、存在価値のない人間なんて一人もいないのです。

現代社会では何事も多く持っている人が高く評価されますが、何かを手にするということは、それと同時に失われるものが増えるということでもあります。

竜崎
失う可能性があるものをたくさん手にすることが、なぜ人間の価値につながるのか。

今まで仲が良かった友達や恋人とケンカをしてしまい、それっきりの関係性になったり、家族を失って深い悲しみに襲われる人もいます。

仕事でなにか大きなミスをしてクビになる人もいるだろうし、最近購入したものが壊れたり失くしたりすることもあります。

お金にしても使えばなくなっていくし、場合によっては誰かに奪われてしまうこともある。

今まで自分の価値だと思っていたものを失ってしまったとき、人間的な価値もなくなるのか。

人間の価値はそんなちっぽけなものなのか。

人生で手にするものの多くは、失くしたり奪われたり消えたりするものばかりで、とくにお金を使って購入するもののほとんどは無くなる運命にあります。

竜崎
どんな豪邸だろうと、どんな高級車だろうとすべては時間とともに無くなっていく。

外的なものに本質的な価値は備わっていなく、それらが「自分」という人間の価値につながるわけではありません。

 

自分の価値は自分の中にあるもの

自分の価値は他人の評価や、外的なものにあるわけではないのだとすれば、「自分の価値」とはいったいどこにあるものなのか。

それはお金で買える失われるものではなく、お金では決して買えない自分の中にあるもの、すなわち人間性です。

竜崎
さきほども言ったように、所有しているものと自分の価値を結びつけてしまうと、それらを失ったときに自分の価値もなくなってしまいます。

あるいは、それらを持っていない自分は価値がない人間だと感じてしまうでしょう。

行動経済学者であるダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」によれば、人間は手にするときの喜びよりも、失うときに感じる痛みのほうが大きいと言われています。

つまり、所有するものが多ければ、それを失うときの心の痛みは、それを手にしたときの喜びよりも大きくなるということ。

ここからも、自分の価値を所有物で判断するのは危険ということがわかります。

所有するものはいつか必ず失われる、そして失ったときに感じる自分の価値の喪失は、それらを手にしていたときの価値の実感よりも大きい。

それに対し、自分の中にある人間性は決して失われることがないものです。

自分の価値がわからない、存在価値がないと感じている人は少なくありませんが、たくさんの人やモノを手にすることが自分の価値につながらないのだとすれば、一体どのように生きればいいのか。

その答えが「人間性」です。

 

人間性こそ失われない自分の価値

人間性という自分の価値は、外的なものをたくさん所有していることにあるのではなく、自分自身の内面に備わっているものです。

これは古代ギリシャの哲学者であるソクラテスがなによりも重視していた「知恵・勇気・自制・公正」の四元徳ともいえるもの。

人間の価値は、どんなときにも活用できる知恵と、倫理的・道徳的に沿った生き方をする勇気と、欲望に溺れないよう常に自制心を保ちつつ、誰にでも対等・平等に接する公正さを持つことにあると、ソクラテスは述べています。

竜崎
これは古代ギリシャ時代にだけ通用する考えではなく、自分の価値がわからないと嘆く現代社会に生きる私たちにも応用できるものです。

時代が豊かになり、それなりに仕事をしてお金を稼げるようにもなり、行きたい場所や食べたいもの、やりたいことなどもある程度なんでもできる時代に生きていながら、毎日なにをすればいいのかわからない人、孤独や疎外を感じている人、生きづらさや不幸を感じている人、自分の価値がわからない人がいます。

お金をたくさん稼げば幸せになれると思っていたのに、実際にお金を手にしても幸せになれなかった人もいるでしょう。

それはおそらく、失うもの、奪われるものばかりに目を向けているからであり、人としての本質的な価値から目を逸らしているからこそ陥る状態です。

知恵と知識を身につけ、自分の意志に従う勇気を持ちつつ、自制心を持ちながら他人に対して広い心を持って接する人間性を持つこと。

それが自分の価値を実感し、自分や人生に価値を感じる方法です。

目先のキラキラしたものや、他人からの評価や、承認欲求を満たしても、自分の価値を実感できるのは一時的に過ぎません。

本当に自分の価値を実感したいのであれば、内面から自分の価値を築きあげる必要があります。

ソクラテスやプラトン、アリストテレスといった古代ギリシャの哲学者たちが重んじていた「知恵・勇気・自制・公正」こそ、決して誰にも奪われることも失うこともない、自分の価値を感じさせてくれるものなのです。

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