最終更新日 2025年3月9日
人は生きてく中で、「人生とは?」「生きる意味とは?」「働く意味とは?」といったさまざまな事柄について悩みます。
その中でも、おそらく誰もが例外なく悩んだことがあるのが「働く意味」について。
精神的に疲れてしまったとき、心に余裕がないときは「自分は何のために働いているのか?」と考えてしまうことがあります。私もその一人です。

そうした中で、仕事に対してやりがいを感じていなかったり、働く意味がわからなくなってしまうと、仕事に嫌気が差して人生そのものが不幸にもなりかねません。
この記事では、人は何のために働くのか、働く意味とは何なのか、仕事とやりがいの関係性について深く考えていきます。
なお、この記事で書かれていることはあくまでも私の仕事観であるため、それがほかの人にとって正解となるわけではありません。
そのため、「こういう考え方もあるんだな」といった気楽な気持ちで読んでみてください。
目次
人間が働く意味は生きるため
働く意味はすべての人が納得できる絶対的に正しい答えがあるわけではなく、考えても考えても答えが出ないこともあります。
毎日忙しさに追われ、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまったときには、今の仕事を「もう辞めたい」「やってられない」と思うことも多いはずです。
ですが、少しでも人生を有意義なものにしたいと思っているのであれば、ここで少し立ち止まり、働く意味について考えるのはとても大切。
まず結論から述べると、働く意味がわからず何年も悩んだ私がたどり着いた答えは、人間が働く意味は「お金のためであり、生きるためであり、食べるため」という根も葉もない答えです。
世の中の成功者やお金持ち、書店の棚に綺麗に並べられているビジネス本や自己啓発本の中には、「お金のために仕事をしているわけじゃない」という言葉がよく書かれているのを目にしますが、この甘い言葉に騙されてはいけません。
人間が働くのはお金を稼ぐためであり、生きるためであり、食べるため。これが仕事の真理であり、人生の道理です。
働く意味がわからない人の多くは、何かしらの高尚な意味を求めがちですが、現実にそんなものは存在しません。

もちろん、人によっては違う答えを持って働いている人もいるだろうし、気高い仕事観を持って働いている人もいます。
ですが、そうした人たちも「何のために働き、お金を稼いでいるか?」と問われれば、最終的には衣食住のために働き、お金を稼いでいると認めざるを得ません。
全てに必要なお金を稼ぐために働く
現代では、「お金のためではなく、やりたいことをやっているだけです」とドヤ顔で述べるインフルエンサーやビジネスマンをSNS上で多く見かけます。
しかし、何をやるにしてもやりたいことをやるには必ず「お金」が必要です。
そして、やりたいことをやるには、まずは生きていなくちゃならないし、生きるためには食べなくてはなりません。

そのことを前提にして考えると、「働く意味=お金のため」という構図は納得できます。
映画にもなった「闇金ウシジマくん」というマンガの中には、主人公のウシジマが「金が全てじゃねぇが、全てに金が必要だ」と言っているシーンがありますが、これはまさに働く意味の真理を捉えている言葉です。

近年、ビットコインなどの暗号通貨(仮想通貨)の需要が世界中で高まっていますが、日本では現在「円」以上に価値のあるものは存在しません(普及率と信用性の面では「円」以上に価値のあるものはないという意味)。
日本で何かモノを買ったり、住宅に住んだり、税金を払ったりするためには「円」というお金が必要になり、これは日本国に住んでいる限りは誰もが従わなければならないルールです。
近所の川で拾った石を、どれだけあなたが熱心にその価値を伝え、石で食べ物を買おうとしても、国家が「価値のあるもの」と定めていない以上、その石に価値があったとしてもそれと引き換えにモノを買うことはできません。
何かをするためには必ずお金が必要であり、人は「全てに必要なお金を稼ぐために人は働いている」のです。
しかし、だからといってお金を稼ぐために何もかもを犠牲にしろと言っているわけではありません。
「お金こそがすべて」「お金さえあれば何でもできる」といった思考回路になってしまうと、「お金がなければ何もできない」「お金がないと幸せになれない」という壮大な勘違いを起こしてしまいます。
そこで私たちが考えなくちゃならないのは、自分に必要なお金の量です。
お金は本当にそこまで必要なのか?
よく言われるように、幸せを感じるハードルは上げるよりも下げるほうが圧倒的に難しいです。
しかし、自分なりの幸福のハードルを持ち、ハードルを周りよりも低く保っていればお金はそこまで必要ありません。

日々の何気ないことに幸せを感じることができれば、高級料理も高級ブランド品も広いリビングも必要ありません。
幸福のハードルさえ低ければ、自分にとって最低限必要なお金を稼ぐだけですむので、精神的に追い込まれるブラック企業や、やりたくもない仕事を毎日8時間やる必要性もなくなります。
働く意味がわからない人の多くは、仕事への不満と身体的なストレスが大きな原因です。
それなら、「自分にとって害のある時間を減らすにはどうすればいいか?」を考え、まずは自分の価値観や幸福感について考えてみる。
何のために働いているのかわからない人は、お金は自分の価値観の中でどの位置にあるのか、自分が求める幸せには「お金」は本当に必要なのか?と自問してみましょう。
働くやりがいは自分で作るもの
続いて、仕事と働くことの「やりがい」について考えていきます。
働く意味がわからない人は、「今よりやりがいのある仕事がしたい」「人の役に立っている仕事がしたい」と思っている人が多いです。
毎日毎日同じ仕事の繰り返し、意味があるのかわからない作業、ただ1日早く時間が過ぎるのを待つ。そんな毎日に嫌気が差している人も少なくありません。

ですが、そもそも「やりがい」というのは仕事そのものにあるわけではなく、自分で作り出していくものです。
やりがいは探すからこそ見つからないのであって、「探す」のではなく「生み出すもの」としてやりがいを考えれば、明日からでも今の仕事にやりがいを感じることができます。
たとえば、接客業や販売業・介護職という職種は、一般的にはやりがいのある仕事や人の役に立っていると実感できる仕事の典型です。
お客さんやおじいちゃん、おばあちゃんからの「ありがとう」という言葉で「自分は役に立っている」と感じ、その仕事に対してやりがいを感じる。
そうした、人と直に接する仕事は一般的にはやりがいのある仕事と言われます。
しかし、こうした職種も仕事そのものにやりがいがあるわけではなく、自分の心でやりがいを作っているだけです。
普段から「めんどくさい」「だるい」「やりたくない」と思っていれば、お客さんやおじいちゃん、おばあちゃんに「ありがとう」と言われてもやりがいは一切感じられません。

やりがいとは決して「この仕事をすればやりがいを感じられる」「介護職ならやりがいがある」というものではなく、自分が仕事に対して思う気持ちによって感じるものなのです。
仕事は主体的に取り組んで仕事になる
「あの人の仕事はやりがいがありそうだな」と思うのはすべて幻想です。
実際には、その人が自分でやりがいを作り出している姿を、それを見ているあなたが「あの人はやりがいのある仕事をしている」ように見ているだけです。
つまり、今自分がやっている仕事やバイトに対してやりがいを感じていないのであれば、それは仕事に問題があるのではなく、自分の仕事に対する考え方に問題があるといえます。
そして、その考え方のままほかの仕事や職種に転職しても、あなたはやりがいを感じることはおそらくありません。

では、どうすればやりがいを心で生み出すことができるのか?
それはいたって簡単で、仕事に対して「主体的に取り組む」だけです。
働く意味がわからなくなったり、仕事にやりがいを感じられない原因の多くは、仕事を「やらされている状態」だから。
それを主体的に取り組む「自分からやっている状態」に変えれば、やりがいや働く意味は自然と自分の前に現れる。
これは綺麗事ではなく、私が実際に経験してきたことです。
人は、誰かに命令されたり何かをやらされたりするのが嫌いな生き物で、どんな人でも自分を中心に物事を考え、自分の思い通りに生きていきたいと思っています。
しかし、現実は「会社に雇われてお金のために仕方なく働く」「やりたくないけど上司にやれと言われたからやる」というように、ほとんどの人は他人や会社にやらされながら仕事をしています。

作業が仕事になる瞬間
自分から主体的に取り組み、仕事を自らやっている状態でなければやりがいは感じられず、いつか必ず働く意味がわかならくなってしまいます。
では、仕事に主体的に取り組むとはどういうことか?
それは「どうすればうまくいくか」「もっとはやく仕事ができないか」と、自分の頭で考えて工夫しながら目の前の仕事に取り組むということです。
これができれば、たとえコンビニの店員でも清掃員でもパチンコの接客作業でもやりがいを生み出すことができます。
ただ与えられた仕事を惰性でこなすのではなく、「仕事をうまくこなすにはどうすればいいか」を常に自分の頭で考えて工夫して実行する。
「あいつは仕事が遅い」「あの人嫌い」「やりたくない」という余計なことは一切考えず、ただ目の前の仕事をいかにうまく早く終らせられるかだけを考える。
仕事はやらされている状態ではただの作業に過ぎず、主体的に取り組んではじめて仕事になるのです。
仕事に取り組む姿勢が働く意味を決める
ここまで述べてきたとおり、仕事でのやりがいはただやっているだけでは感じることはできません。
どんな仕事でも、自分で考えて工夫することではじめてやりがいを実感できるものです。

コンビニの店員でも、お客さんが来て接客するだけではただの作業に過ぎません。
お客さんがいないときにはお店の商品を並び替えて棚を見やすくしたり、ちょっと商品をずらして買ってくれるか試してみる。
袋やストロー、箸などを取りだしやすい場所に用意しておくなど、主体的に作業に取り組むようにする。
そうした工夫をすれば、その作業をやりがいを感じる仕事に変えることができます。
つまり、全ては自分次第です。
一つの仕事にやりがいを生み出す考え方がわかれば、ほかのどんな職種の仕事に変わってもやりがいは生み出せるようになります。
そうすれば、どんな仕事をしていたとしても働く意味がわからなくなることはありません。

職種や年収、地位や権力といったもので仕事のやりがいを競うことには何の意味もありません。
目を向けるべきは、自分の仕事に取り組む姿勢です。
そして、自分の仕事に取り組む姿勢次第で仕事は自分のアイデンティティとなり、自分の居場所ともなります。
一番好きな作業を仕事にする
働く意味や仕事のやりがいの多くは、主体的に取り組むことで見つけられますが、実はもっと簡単に見つける方法があります。
それは、自分の一番好きな作業を仕事にすることです。
そのためにはまず、自分の一番好きな作業を知らなければなりませんが、これもいたって簡単に見つかります。

ゲームをしているとき、スマホをいじっているとき、友達と遊んでいるとき、音楽を聞いているとき、映画を見ているときなど。
自分がやっていて楽しいと思うことを思い出し、その楽しいと思うことを作業に置き換えます。
ゲームをしているときが楽しいと感じるのであれば、「ゲームをしているときの何に対して楽しさを感じているのか」を考えてみる。
頭を使ってクリアしているとき、コツコツレベルを上げているとき、ストーリーを楽しんでいるときなど、ゲームをやっていてどの作業に楽しさを感じているのかを論理的に考える。
頭を使ってクリアしているときが楽しいと思うなら、自分が好きな作業は「考えること」だとわかるし、コツコツレベルを上げているときが楽しいのなら、「地道な作業」や「ルーティンワーク」が向いているといえます。
自分が一番好きな作業は、普段自分が楽しいと感じることを作業に置き換え、「どこに楽しさを感じているのか」を考えれば知ることができます。
そして、その好きな作業に似た仕事を選ぶのです。
そうすれば、やっている仕事は一番好きな作業なので、興味のない仕事をしているときよりもやりがいを感じやすくなります。
好きなことを仕事にするときにはいくつか問題点がありますが、好きな作業の場合は比較的簡単に仕事に楽しさが感じられるのでおすすめです。
自分なりの働く意味を見つけよう
ここまで私の仕事論や働く意味を好き勝手に述べてきましたが、はじめにも述べたとおり、この記事で書かれていることは私の意見であって、これを読んでいるあなたに合うかどうかはわかりません。
私が社会人になってからずっと考えてきた問題、「人はなんのために働くのか?」という働く意味に対する答えは、「人は生きるために働いている」というもの。
そして、仕事にやりがいを感じれるかどうかはすべて自分次第です。
今目の前にある仕事にやりがいを感じられず、働く意味がわからないのであれば、この先どんな仕事をしてもただの作業になってしまい、働く意味を求めて転職を繰り返して右往左往することになります。
働く意味の本質が「お金と生きるためと食べるため」だったとしても、仕事はそれらのためだけに仕方なくやるものではありません。
働く意味がわからない人は、まずは自分の楽しいと感じることの中から一番好きな作業を考え、それを元に仕事を選んでみてください。

この方法は万人に通用するものではないかもしれませんが、毎日「つまらない」「もっとやりがいのある仕事がしたい」と思っている人は、まずは目の前の仕事にやりがいを感じてみましょう。
そうすれば、この先の人生において仕事で悩むことが格段に減り、働くことや仕事を通して充実感を感じることも増え、生きることにも幸せを感じられるようになります。
以下の記事でも「仕事をする意味」について詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。