最終更新日 2025年3月5日
多くの人は年齢を重ねることに対して抵抗を感じます。
10代の頃は早く大人になりたいと願い、20代にはもっと自立した人間になろうと思い、30代には10代の頃を懐かしみ、40代には20代の頃に哀愁を感じる。
年齢を重ねるにつれて、若かった頃の思い出が輝きを増していき、記憶媒体である本人の輝きは古い十円玉のように錆びていく。
愛と勇気だけが友達だと歌っていたアンパンマンを思い出しながら、疲労とストレスだけが友達となっている自分に苦笑する。
友達100人どころか、年々友達が減っていくことに孤独を感じ、20代後半にもなれば結婚などの焦りを感じはじめる。
人生100年時代と言われる現代において、歳を取ることの重みは年々増しているように感じます。
子供の頃はなにも考えずにスヤスヤ眠っていたはずが、社会人になれば不安と悩みに押しつぶされて不眠症が友達の仲間入りをする。
若い頃は体力だけでなんでも乗り越えられたが、次第に無理が効かない体になっていることに気づく。
脂身が多いお肉を食べられなくなり、インスタ映えするようなカラフルな毒々しいスイーツを食べれば夜に腹痛に見舞われる。
睡眠不足になれば肌荒れが起き、生活習慣の乱れがQOLの低下を促す。
年齢を重ねることは残酷なことで、多くの人が歳をとっていくことに嫌悪を抱きます。
でも、年齢を重ねても魅力的な人がいるのも事実で、そうした人たちは歳を取ることに抵抗を感じていません。
むしろ、歳を取ることを誇らしく思っている人も少なからず存在します。
成長していくのが正しい歳の取り方
時間の流れはとても残酷です。
必死に自分に若い若いと言い聞かせていても、体はどんどん内部で弱体化を進行させており、そのツケがある日突然襲いかかってきます。
俗に言う「ブラックスワン」というものです。
病気など自分には起こるはずがないと思っている出来事が、現実として突如自分に起こってしまう。

老化を避けるべきでも、なにがなんでも若くいようと努力するものでもなく、加齢や老化といった現象は人間の自然現象であり、人は時間とともに成長していくのが正しい歳の取り方です。
つまり、年齢を重ねても魅力的な人は、正しい歳の取り方をしている人たちです。
しかし、現代に生きる多くの人たちは、時の流れの早さを恨み、老化と加齢を憎み、若さだけが人生の宝だと思い込んでいます。
もう若くない自分には価値がなく、あるのはちょっとばかしのお金と思い出と、若い人たちを眺め「若いっていいね」としみじみ呟き、ナルシストな世界観に浸って自分を慰める虚しい感情です。
成長と時間の経過は比例するべきもの。
加齢と知識、老化と経験は年齢を重ねるほど増えていき、歳を取るほど木にぶら下がった果実が熟すかのように魅力的になっていきます。
果実と人生は似ているもので、人生の熟度は行動と経験によって決まり、生き急げばその分早く実りますが、その分腐るのもより早く、生き急げばいいというわけではありません。
人生はなんともおもしろいものです。
年齢を重ねても魅力的な人とはどんな人?
年齢を重ねても魅力的な人は、常に学ぶ姿勢を持ち、常に頭が柔軟で自分を変えることができ、年齢とともにたくさんの経験と知恵を持っています。
そして何よりも大事なのが、勇気を持っているということ。
そうした人は魅力的な人というだけでなく、強い人間とも言うことができます。
人間に宿る魅力というのは、決して外見ではないしお金でもなく、地位や名声でもないし、自分の外側にあるものでは決まりません。
若さという魅力は年齢を重ねれば必ず失われるもので、お金も使えばなくなり、地位や名声も時間とともに薄れていきます。
でも、自分の内側に蓄積された知恵や経験といったものは、どんなときにも失われることはないし、薄れていくいかないもの。

筋肉を鍛えるのに遅すぎることはないように、魅力的な人間になるのにも遅すぎることはありません。
世間ではよく、いつも笑顔で優しい人が魅力的と言われたりしますが、それは矢印の方向が逆です。
つまり、魅力的な人が笑顔で優しい。
自分の内側にたくさんの知恵や経験を持っている人は、自然と人に優しくなり、笑顔も増えていきます。
そして、自分の幸せだけでなく、他人に幸せを願うことでより幸せになれるのです。
年齢を重ねることに魅力を感じる
今のところ不老不死の薬なんてものは存在しませんし、老化に抗うことはできません。
年齢を重ねれば顔のシワは増えていくし、運動能力も低下していくし、代謝や心肺機能だって落ちていきます。
それなら、加齢や老化に抵抗するのではなく、加齢や老化を受け入れ、自分の内側に宿る人間的な魅力を高めていくのが建設的です。
どれだけ嘆いたところで、時間は止まってはくれないし、老いも逃れることはできない。
老いていくことに対して不安を感じる暇もないぐらい、知恵や経験を蓄えていくことに毎日一生懸命になれば、年齢を重ねること自体が魅力に感じられます。

好き勝手に好きなものを食べれば胸やけや胃もたれがするようになったし、一日中横になったり座ったりしていれば腰が痛くて動けなくなります。
徹夜なんてすれば次の日は使い物にならないし、昔のようなハードな運動を毎日するのも難しくなり、若者特有の謎に高いテンションもなくなっています。
目に見えるものや、形があるものはいつか必ず壊れる。
だからこそ、今は知識と経験をたくさん蓄えることに時間とお金を使っています。
自分が思う年齢を重ねても魅力的な人に少しでも近づけるように、日々やるべきことをやって懸命に生きていく。
それがきっと「後悔の少ない生き方」につながるのではないかと思っています。