「人によって態度を変える」のは本当に悪いことなのか?

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。
Pocket

最終更新日 2025年3月2日

学校や職場では「人によって態度を変える人」はあまりよく思われません。

あの人には優しいのに、別の人には冷たい、年上や上司には媚びを売り、年下には偉そうに威張る、同性には普通なのに異性には露骨に態度が変わる。

人によって態度を変える人は周りから嫌われがちで、気持ち悪いと思われることもあります。

竜崎
でも、人によって態度を変えるというのは、社会の中で生きていくのに当たり前のことなのではないか。

もちろん、露骨に威張り散らしたり偉そうにマウントを取ったりするのは、人間性という観点からかっこ悪いのでやめるべきですが、異性に優しくしたり、目上の人や尊敬する人に節度を持って接するのは、社会の中で生きていく上で当たり前のことです。

「どんな人にも同じ態度で接する」という志はすばらしいですが、目上の人に友達のように接したり、苦手な人にも常に笑顔で機嫌よく接するというのは、自分のためにも相手のためにもよくありません。

社会での人間関係はそんなに単純なものではなく、一人ひとり価値観も性格も違う人間が集まっているからこそ、人によって態度を変えるのは社会の中でうまくやっていくために必要なことです。

 

人によって態度を変えるのはあたり前

実際、自分は人によって態度を変えないと言っている人でさえ、無意識のうちに人によって態度を変えていたりします。

たとえば、好きな人に対する態度と友達に対する態度は本当に同じなのか。

恋人には友達には見せない顔で甘えたり、優しくしたり、思いやりを持って接しているのではないか。

友達というカテゴリーにおいても、親密度によってよそよそしい態度になったり、おおらかで器が大きい態度になったり、大人しく人見知り気味の態度になったりするのではないか。

「〇〇だけに言うけど」「ほかの人には絶対内緒にして」といった言葉を使ったことがある人は、自分でも気づかないうちに友達というカテゴリーの中で一人ひとり区別し、その友達に最適な態度で付き合っているものです。

職場での人間関係ともなると、さらに話はややこしくなります。

学校という場においては基本的には周りに同じ年代の人たちが集まっているため、親友や恋人、先輩や後輩といったくくりでしか態度は変わりません。

でも、職場においてはさまざまな年代の人たちが会社というひとつの場所に所属し、それぞれ役職などの肩書きもあります。

竜崎
会社の中では、先輩や後輩、年上や年下、部長や課長、同僚や異性など、実にさまざまな人たちとうまく付き合っていかなければなりません。

そうした場において、「どんな人にも同じ態度で接する」というのは本当に正しいと言えるのか。

人によって態度を変えるのがあたり前のことだと思いませんか。

 

同じ態度で接するのは自分に嘘をつく生き方

ですが、勘違いしてほしくないのが、人によって態度を変えるというのは、年下や自分よりも地位が低い人に対して偉そうにマウントを取ってもいいという意味ではありません。

さきほども言ったように、どんな相手にだろうと偉そうに振舞ったり、冷たく接したり、嫌な思いをさせようとするのは論外です。

そうした態度の変え方は人間性に問題があると言わざるを得ません。

竜崎
人によって態度を変えるのが最適なのは、あくまで社会の中でうまくやっていくための戦略であり、生きていく知恵です。

決して他人に嫌な思いをさせたり、マウントを取って優越感に浸るために態度を変えるのではありません。

ほかにも、人によって態度を変えるのにはいくつかメリットがあります。

それは人間関係のストレスをコントロールできることです。

どんな人にも同じ態度で接していると、自分とは合わない人ともうまく付き合わなければなりません。

どんなに嫌なことがあっても、相手に嫌な思いをさせないために、相手を気遣いながら笑顔で接する。

そうした態度は周りの人からの心証は良いかもしれませんが、心の中にはストレスがどんどん溜まっていきます。

学校や職場の人、自分と関りがある人たち全員と気が合う人なんていません。

つまり、「どんな人にも同じ態度で接する」というのは、言い方を変えれば自分に嘘ついている状態です。

家に帰って一人になったとき、気持ちがぐったりしたり大きな溜息が出るのであれば、自分の気持ちに嘘をついて他人と接している状態です。

そんな人に、スナフキンの言葉を送ります。

いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ。理由はかんたん。時間がないんだ。

 

人によって態度を変えるのは心を守る行為

人の心というのは、そんなに強くはありません。

嫌なことばかりが続ければ気持ちが重くなるし、天気が悪いだけでどんよりした気持ちになったりもします。

心は天気のように急激に揺れ動くものであり、常に晴天を保つのはかなり難しい。

竜崎
だからこそ、人付き合いには「人によって態度を変える」という柔軟性が必要なのです。

嫌な人にはできるだけ近づかない、合わない人とは深く付き合わない、否定ばかりしてくる人や偉そうにしてくる人とは話さない。

人によって態度を変えることによって、人間関係のストレスから自分の心を守ることができます。

「どんな人にも同じ態度で接する」というのは、糸をピンと張りつめたような状態で人と接すること。

これは一見丈夫に見えて、実はとても脆く、何か些細なことがきっかけで糸が切れ、心を病んでしまう危険性があります。

一方、人によって態度を変えるというのは、木の枝のような柔軟性を持った心で人に接することです。

枝は雪が降って重たくなれば、自分をしならせて上に乗っかっている雪を自ら落とす。

柔軟でしなやかだからこそ、そう簡単には折れることがない。

人と接するときの心も、木の枝のような柔軟性を持った状態で望むのが理想です。

人間関係で重たくなったら人によって態度を変え、心に乗っかっているしがらみやストレスを振り落とせばいい。

そうすれば人間関係で心を病んだり、自分を追い詰めてストレス貯金を貯めることもなくなります。

人によって態度を変えるというのは、自分の心を守る最大の防御でもあるのです。

Pocket

【電子書籍発売中】現代の仕事論:自分らしく生きるための仕事の選び方と働き方

働く意味、仕事と労働の違い、後悔しない仕事の選び方、自分に本当に合った働き方…仕事に関する悩みをまとめた一冊!

Kindle Unlimited会員のかたは無料で読めます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です