最終更新日 2025年3月15日
現代では若者を中心に「推し活」というものが流行っています。
簡単に言うと、特定のアイドルや芸能人、キャラクターなどを応援することを「推す」と言い、その推しである対象をさまざまな方法で応援することを「推し活」と呼ぶ。
たとえば、特定のアイドルを推しているとすると、そのアイドルのライブや握手会といったイベントに参加したり、グッズなどを大量に購入したりする。

推しがいるから自分の私生活も頑張れる、推しのために尽くしたいから仕事を頑張るといった、推し活が自分の生活の支えになっている人も少なくありません。
自分の好きなものを推すことで、仕事や生活にやる気が出てくる。
嫌なことがあっても推しのことを考えれば笑顔になれる。
推しは心の支えにもなってくれるもので、まさに推し活は良いこと尽くめだと思っている人も多いです。
ですが、推し活の本質は「依存」であることを忘れてはいけません。
推し活の本質は依存
どういうことかと言うと、「推しがいるから頑張れる」というのは、裏を返せば「推しがいないと頑張れない」ということで、推しは自分の外側に存在するものであるがゆえに、推すという行為は依存になるのです。
もちろん、すべての推し活が依存になるわけではなく、推し活にも程度があり、依存にならない推し活もある。

推し活が依存になってしまうのは、推しがいなければ人生が楽しくない、推し活が人生のすべて、推しを応援することが生きがいといったレベルまで推し活にハマっている人たちです。
推し活が依存になっている人は、応援という名目で多くの金銭を推し活に注ぎ込み、推しに喜んでもらうことで自分の人生に生きがいを感じています。
言い換えると、推し活が承認欲求を満たす行為になっているのです。
たとえば、近年とくに人気があるVtuberの推し活にしても、配信などで投げ銭をすれば推しがリアルタイムで喜び、感謝を述べてくれる。
それによって自分が必要とされている、自分の行為は人の役に立っていると錯覚し、承認欲求が満たされる。
承認欲求を満たすこと自体は悪いことではありませんが、大事なのは承認欲求の満たし方です。
推し活で満たす承認欲求
推し活という推しを応援するという名目でグッズを買い漁ったり、多額の投げ銭をしたり、イベントに参加したりするのは、自分の努力を通じて承認欲求を満たしているわけではありません。
それはアドラー心理学的に言うと「優越コンプレックス」というものであり、自分の人生がうまくいっていないことに劣等感を感じ、それを推し活とう金銭を介した安直な行動で自分は特別な存在だと実感するための行為です。
依存した推し活によって手に入れた承認欲求はこじれているため、たとえどれだけ金銭をつぎ込み、推しの役に立っていると思い込んでいたとしても、推しは自分の利益になるので喜んでくれるかもしれないが、あなた自身はいつまでも自立することができない。
現代人の過剰なまでの推し活が文化となっている一因には、将来に希望が持てず、自分の人生がうまくいかないことのつらさに耐えきれず、その奥深くに潜む劣等感を推し活によって慰めている側面があります。
もちろん、好きなものを持つのが悪いことではないし、アイドルだろうが芸能人だろうが、応援したいと思うのも悪いことではありません。

推し活それ自体は人生を豊かにするものでもあるし、楽しい気分にさせてくれるものでもあります。
ですが、人生の問題を推し活で解決するような、推し活が依存になっているような状態だと、たとえ経済的に自立していたとしても、精神的に自立することはできません。
一番の推しは自分自身
自立とはお金の問題ではなく心の問題であり、他人に依存や執着することなく、1人で人生を楽しめる状態のことを自立というのです。
恋人に限らず、何かに依存してしまうのは精神的な弱さの表れです。
ですが、精神的に弱いからといって人生がダメになるわけではなく、精神的に弱いからこそ、人は努力し、成長し、少しずつ理想の自分に近づき、自立した人間になっていきます。

なので、推している人がいなくなった場合でも、またすぐに別の推しを見つけ、金銭を通じて応援することで安直に自分の人生を肯定しようとする。
そうした生き方を続ける限り、精神的に自立することはできず、他人なしでは自分の人生を肯定できず、お金で承認欲求を買い続けて人生を終えることになります。
推しを持つのもいいですが、自分にとっての一番の推しは自分自身であるべきです。
自分のために費やした時間とお金は、成長という結果で必ず自分に返ってきます。
アイドルの推しに何十万円、何百万円とつぎ込んでおきながら、彼氏が発覚しただの、結婚しただので「裏切られた!」と被害者面するような生き方はやめる。
他人に依存したり、他人を応援することで自分の人生を無理やり肯定したりするような「人生の嘘」ともスパッと縁を切る。
推し活をするのであれば、金銭を介した依存ではなく、心の中での応援に留めておく。
それが推しとの適切な距離感というもので、精神的に自立するためにも必要なことなのだと思います。